Material Bricolage 1-2 金村修
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Material Bricolage 1-2 金村修

Material Bricolage 1-2 | Osamu Kanemura

手元にある既存の本とポラロイド写真を接合した特異な形式の本書は、レヴィ=ストロースが提唱した「ブリコラージュ(Bricolage)」や、ジャック・デリダによる「接ぎ木(grafting)」を想起させる。金村が撮影したポラロイド写真が、切り刻まれ、折りたたまれたバウハウスの本に「接ぎ木」され、本から栄養を得る「寄生物(パラサイト)」と化し、「宿主(ホスト)」としての書物の中の写真と共存している。しかし、人文系の哲学思想だけでは、本書の極めて刺激的な形式に肉薄することはできない。本書が「ブリコラージュだ」と閃いたのは、阿木譲が自身のDJを「ブリコラージュ」と呼んでいたことが想起されたからである。阿木譲の「DJ/ブリコラージュ」は、クラブ向けのダンスミュージックから尖端音楽を解き放ち、ロック、ノイズ、テクノ、現代音楽と、全音楽史を俯瞰しながら繰り出される「寄せ集め/使い回し」の創造性の極致である。金村修の近年の写真や映像には、阿木譲の「DJ/ブリコラージュ」と共鳴する感覚が横溢している。レヴィ=ストロースとジャック・デリダの思想が残響するフィールドにおいて、阿木譲のブリコラージュと共鳴するハイブリッドな「書物/物体」、それが「Material Bricolage」と命名された「写真集/写真物」なのだ。(梅津元/芸術学)


Killer Agent, 2020

限定1部 | 15x11cm | モノクロ

 
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