オレレ・オララ プレイボーイ特別編集 篠山紀信
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オレレ・オララ プレイボーイ特別編集 篠山紀信

Olele Olala | Kishin Shinoyama

「12月の寒い夜、私はふとリオ行きを思いたった」という1節からはじまる巨匠篠山紀信によるリオデジャネイロ・ドキュメント。当時の篠山紀信が、日本で取り巻かれていた鬱屈した状況から一挙に解き放たれたかように、すさまじいばかりのカタストロフィを、リオのカーニバルに乱舞する人々に投影したかのような写真集。他方で、日立の電気製品の広告仕事もしっかりと紛れこませて、スポンサリングさせているところはさすが。経費のかかる空撮までしている。鶴本正三によるアートディレクション。
ソフトカバー。本体年代なりの黄ばみ。裏表紙見返しに若干の黄ばみシミ/エッジに微小な痛み。背表紙ヤケ。綴じ良好。

ぼくの中では、やはり「オレレ・オララ」がぼくを非常に自由にしてくれましたね。その前までは、既成の写真美学っていうか、そういうもののしっぽをくっつけてるっていうか、その中にどっぷりひたり込んでいたところがあったでしょう。(途中略)そんなとき、ぼくはリオのカーニバルへ行った。サンバを踊っている中で写真を撮っているとね、ちょっとあそこへ行きたいなと思っても、歩いては行けない。みんなといっしょにサンバのリズムにのっていると、自然とそこに行けるわけ。だからサンバを踊りながら、その中でシャッターを押すしかないでしょう。それの集積があの「オレレ・オララ」という本になった。そのときにぼくはね、「ああ、写真ってのはこんなもんだ。これ以上でも、これ以下でもないな」って思いましたね。(篠山紀信/写真決闘論より)

平凡社, 1971

初版 | 30x21cm | 写真図版約250点 | 280pp.


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