都市へ 高梨豊
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都市へ 高梨豊

Towards the city | Yutaka Takanashi

高梨豊が60年代末のPROVOKE活動の果てに辿り着いた地平。それがこの代表作「都市へ」。高梨なりの都市の認識論が具現化した金字塔的作品となる。装幀は杉浦康平。「都市へ」を語るうえで誰もが述べる特徴的デザインとして挙がるのが、この表紙に据えられた鈍く輝く円球メタル・プレート。日の丸を象徴しているのなどの説はあるが、実はこれ妥協的に落ち着いたデザインというのが本当のところ。当初はメタルで本全体を覆い、鏡のように反射する周囲のなかで、本を溶けこませることを杉浦は構想に抱いていたという。しかしこれは技術的に頓挫。写真集「東京人」を函内部に収納。だが高梨豊は「東京人」については意外にも「消してしまいたい仕事」と述べている。Martin Parr/Gerry Badger本掲載。
輸送函付属。メタルプレートに僅かなシミ。

イザラ書房, 1974

30x44cm | 62+54plates | 130+126pp | b&w


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