『写真時代』1981年9月1日号から、『写真世界』1989年4月1日号までに掲載された日記集。以下、参考までに本から引用。ソフトカバー。帯付き。年代なりの黄ばみ。
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1985.7.14 明るい部屋。結局のところ私が、私を写した写真を通して狙うもの(その写真を眺める際に<志向するもの>は、「死」である。「死」がそうした「写真」のエイドス(本性)なのだ。それゆえ、写真を撮られるとき、私ががまんできる唯一のもの、私が愛し、親しみを覚える唯一のものは、奇妙なことに、写真機の音だけである。私にとっては、「写真家」を代表する器官は、眼ではなく(眼は私を恐怖させる)、指である。つまり、カメラのシャッター音や乾板をすべらせる金属音(写真機にまだ乾板が使われているなら)と結びつくものである…
河出書房新社, 1989
初版1刷 | 日本語 | 15x26cm | 380pp. | モノクロ