金村修の初期の代表作として位置づけられる写真集。カオスの表象という観点では、Pollockのドリッピングや、John GossageやLewis Baltzらの荒涼とした自然描写との親和性が高い巧妙な都市記述語法。建築家磯崎新は、巻末の寄稿エッセイ「蜘蛛の戦略、あるいは記法の廃墟に」において、金村の写した都市の光景に、常に溶解を続けるメトロポリスの様相を見て、写真の新たな可能性を感じ取っている。
1990-99年までに制作された作品より構成。初期のMoleブックレットや、ギャラリーカタログを除けば、金村修の写真集としては2ndタイトル。奥村靫正によるデザイン。写真の対面に銀紙を配したレイアウトも目を惹く。Martin Parr/Gerry Badger The Photobook vol.2掲載。
ハードカバー。帯付き。表紙カバー/帯のエッジにヨレ。
金村修による直筆サイン入り。
オシリス, 2001
初版 | 29x23cm | 80plates | [102]pp | b&w