アデン湾を挟んで向かい側、イエメンやサウジアラビアへと危険な脱出を試みるソマリア難民たち。ソマリアの言葉で「Tahrib」と呼ばれる人々の現状を捉えたフォトルポルタージュ。タイトルの「ミリオン・シリングス」は海峡を船で横断する際の値段(50米ドル相当だという)を意味する。ドラマチックな描写で観る者の眼を釘付けにするようなやり方ではなく、彼らの姿をまるで日記にでも残すかのように、静かに淡々と記録しているのが印象的。
アリクサンドラ・ファツィーナ(1974-)はイギリス出身のフォトジャーナリスト。フォトエージェンシーNOORに属しつつ、第三世界の人々の困難な状況を世界に発信し続けている。2010年には国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が授与するナンセン難民賞を受賞。現在はアフガン難民の現状を追っているとのこと。
ハードカバー。状態良好。
Trolley Books, 2010
英語 | 23x17cm | 368pp | color