高梨豊が、北海道から、青森、熊野、出雲、そして四国、九州を経て沖縄まで、日本各地を移動し撮影した労作。「東京人」の制作に明け暮れ、都市表象の断片ばかりを切り取っていた高梨が、「何の目論見も見通しもなかったが、ただ無性に東京を離れたかった」と北に向かって出発したのは1983年のことだった。『「初國」は写真がどれだけ不可視なものに肉薄できるか、スピリチュアルなものに近づけるかの実験みたいなものです。』(高梨豊
岩波書店刊行日本の写真家より)。高橋睦郎『目によって』による寄稿。鈴木一誌らによるブック・デザイン。
ハードカバー。帯付。表紙カバー周縁部に若干の黄ばみ。それ以外は良好。
平凡社, 1993
初版第1刷 | 27x27cm | 133plates | 166pp. | b&w