恐山のイタコによる「口寄せ」を知っているだろうか?亡くなった人の魂を呼び寄せ、イタコを介して語らせる降霊術の一種なのだが、3.11後、被災し家族を亡くした人々の一部は、その恐山に出向き、死者の霊を弔ったという。写真家奥山美由紀は、震災後、日本各地を巡りスナップした無人の郊外風景に、その恐山の風景を重ね合わせる。
造本は、4つ折りした薄紙をホッチキス留めしているだけの簡素な体裁なのだが、タイトル文字は裏から透けて読ませているほか、4つ折りしたまま天(ページ上部)を切らずそのまま綴じてしまっている。恐山の風景は、いわば裏に隠されており、地(ページ下部)を少しめくるとかろうじて見える仕掛け。デザイナーはRonja Andersen。
奥山美由紀(おくやま・みゆき)は山形県出身。オランダをベースに活動している。
ソフトカバー。初版限定100部ナンバリング及び奥山美由紀による直筆サイン入り。
状態良好。
Photobook Bristol First/Dummy Book Table 2016 ノミネート
Self Publish Riga 2016 ノミネート
奥山美由紀, 2015
初版限定100部 | 30x21cm | 写真図版28点 | 28pp. | モノクロ