能面 白洲正子
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能面 白洲正子

NOH Mask | Masako Shirasu

白洲正子による能面解説書。写真撮影は坂本万七。題字(題簽)は梅原龍三郎。
ハードカバー。スリップケース付属。帯欠。スリップケースの縁にヨレ擦れ傷。本体は年代なりの黄ばみ。

著者はながいあいだ能面に興味をもち、能面をたずねて全国の神社や愛好家のあいだをあるきまわった。能面は能の世界では神聖視されているが、著者は能面をありのままにみて、そこに生命の表現をみいだそうとしている。技術が洗練され、形式が完成するにつれて、はじめの生命そのままの勢いが失われていくのは、どの芸術も同じである。能面もまた時代が下るほどいきいきしたものがなくなっていると著者はいう。古い時代の、発生期の能面のもつ美しさは「言葉で書けば書く手元から消え失せるような」姿をしているが、そこにこそわれわれの祖先がはじめて表現した、日本人の表情が息づいているというのが、この本を貫く著者の見方である。(本書より)

求龍堂, 1975

27x20cm


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