日本写真史 1840-1945 日本写真家協会編
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日本写真史 1840-1945 日本写真家協会編

History of Japanese Photography 1840-1945 | JPS

写真史遡及の作業は、写真家の戦争責任という十字架を背負った戦後の写真家たちにとっては、避けて通りたい道。それ故に長い間、手付かずであったが、60年代になりようやく濱谷浩らによって企画され、1968年池袋西武で催された「写真一〇〇年展」を元に、1971年に陽の目を見た書。編者として関わったのは東松照明、多木浩二、内藤正敏、中平卓馬といった同時期の写真家たち。特に中平卓馬については、この編纂作業の過程で得た過去の写真表現への参照が、以後の活動へと大きな影響を与えたことが指摘されている。また、この編纂過程で内藤正敏が、田本研造に代表される北海道開拓期の写真を発見したことも有名。この辺については土屋誠一『見出された「記録」の在処 「写真一〇〇年」再考』に詳述されている。装幀レイアウトは、戦前戦中のプロパガンダ誌「FRONT」で知られる東方社の多川精一。ハードカバー。スリップケース付属。年代なりの黄ばみ。総じて状態良好の域。

平凡社, 1971

初版 | 22x30cm | 516pp. | モノクロ


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