Crimson Line | Trente Parke
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Crimson Line | Trente Parke

Crimson Line | トレント・パーク

オーストラリアの鉄鋼都市ニューカッスルに生まれたトレント・パークにとって、幼少期の唯一の思い出は、父親を仕事場まで迎えに行く母親に付き添い、造船所や煙突、BHP製鉄所などが立ち並ぶ風景を旅したことだ。

彼のキャリアを通じて、パークは常に光の変幻自在な力に興味を抱いてきたが、深紅という色に興味を抱いたのは、夜明けや夕暮れの儚く変化する色、多種多様な赤だった。コチニールという尺取り虫の雌の体を砕いて煮沸したものが、市販品に使われている色であることを彼は発見した。コチニールとは、ウチワサボテンの葉の部分に生息する小さな昆虫で、真紅の染料として養殖されている。現在では主に化粧品や食品の着色料として使用されている。

スカーレット、マゼンタ、オレンジ、クリムゾンは、コチニールによって生成される色染料であり、また、新しい星の誕生の際にワシ星雲に見られ、ハッブル宇宙望遠鏡によって記録されたように、天地創造の色にも見事に登場しているようだ。これらの誕生と血の色を、パルクは息子たちの誕生の際、風呂の湯、へその緒、胎盤からも覚えている。

メスの昆虫は、その新しい多数の子孫を出産するとすぐに、ただの抜け殻になって死んでしまう。そのため、主にこの昆虫が採集されるメキシコでは、幼虫が大きくなっている間に年老いた昆虫を殺して、幼虫が生命に逃げ込むのを防ぎ、その美しさを奪ってしまわないように細心の注意が払われる。
(版元より)
ハードカバー。状態良好。美本。

Stanley Barker, 2020

2版 | 英語 | 22x30cm | 51plates | 132pp | color

¥ 14,300 (税込)


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